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発達障害の人の治療ができるように歯科医に知識を教える取り組み

time 2018/03/03

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

発達障害の人の治療ができるように歯科医に知識を教える取り組み
  • 1. 歯医者に行けない場合、どうすれば良いのか?
  • 2. 障害を持つ人や特別支援を必要とする成人向けの歯科治療を受ける方法はあるか?
  • 3. 発達障害や自閉症を持つ子どもや家族が安心して連れて行ける歯科医や専門的な場所はどこにあるか?

歯医者さんに行けない。
そうであったら、どうすればよいのでしょうか?
障害を持つ多くの人々がかかえている状況です。
米国テネシー州では、およそ10万人が発達障害、脳性麻痺、てんかんなどです。
障害のある多くの人たち、特別支援を必要とする成人への訓練を受けた看護師などは多くありません。
「知的障害をもつ人たちを治療した経験がありません。
特に歯科医の場合にはそうです。
家族から、歯科医を見つけるのが本当に難しいと聞きます。」
そう、テネシー発達障害協会のエグゼクティブ・ディレクターのワンダ・ウィリアムズが言います。
米国で障害者法が施行されて約20年が経過し、”Special Care in Dentistry”の2017年の報告書によれば、障害をもつ人たちが「十分な歯科治療を受けていない米国最大のマイノリティ」となっています。
最新の米国の国勢調査のデータでは、障害をもつアメリカ人は人口の12.6%を占めています。
障害者を支援するジャン・マリー・ローレンスは、大きなマイノリティだと語ります。
ローレンスは筋ジストロフィーで、筋肉の衰弱及び老化が進行しているため車椅子を利用しています。
テネシー大学にある、発達障害協議会に勤めています。
立ち上がって服を着替えるのを手伝うために1日2回介助の人が来る他は、一人で生活をしています。
ローレンスにとっても、車椅子から立ち上がっての移動が必要となるため、歯科医にかかることは大きな課題となっています。
「私を診ている医者の多くは病院にいて、私をかかえてくれる準備もされています。
しかし、歯科医には何年も行ったことがありません。
歯科医を呼んでも診てくれることがありませんでした。」
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診察台やイスに患者を動かすことができないために、車椅子の人を診ることや治療を行えないことが少なくないのです。
ローレンスの場合には、車椅子から移動せずに診てくれる歯科医が見つかっても別の問題があります。
筋ジストロフィーのために嚥下障害もあり、顎が収縮しているために歯科医には小さな器具も必要となるのです。
「誰かが絶えず口の中の唾液を見てくれていないと、私は簡単に窒息してしまうのです。
障害者それぞれに、異なる課題があるのです。」
発達障害の人と家族を支援するチャタヌーガ自閉症センターのディレクターのスコット・クレーマーは発達障害の子の家族は常に発達障害の子に優しい場所を探しているといいます。
自閉症は、社会的スキルやコミュニケーションにかかえる困難、反復的な運動によって特徴づけられる障害です。
その症状の範囲と程度は人それぞれ大きく異るものです。そのために自閉症スペクトラム障害とよばれています。
クレーマーも、2007年に自閉症と診断をされています。
「自閉症は学校を卒業しても治るものではありません。
自閉症はさまざまであり、自閉症スペクトラム障害の子も大人もさまざまな困難をかかえています。」
テネシー発達障害協会のワンダ・ウィリアムズは、こう言います。
「これまでの年配の歯科医は、障害のある人を治療するための訓練を受けたことが全くありませんでした。
今は少しずつ変わってきています。」
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チャタヌーガ自閉症センターの訓練所の所長であるリック・レーダー博士はこう言います。
この訓練所は、知的障害の子の家族たちによって設立されました。
「1950年代は、先天点的な問題をかかえる子どもを出産すると施設に送るという考え方でした。」
そして当時の歯科医は、とにかく歯を抜くという考えだったとレーダー博士は語ります。
そして最近まで、特別支援を必要とする人への歯科治療の訓練は限られたものであり、開業医は障害のある人の治療を避けたり、鎮静剤を与えるだけのことがよくあったといいます。
口腔内の健康を怠ると、体全体の健康にも害をもたらします。
障害のある人の中には「歯が痛い」と言葉で伝えることが出来ない人もいます。
行動の変化から、歯が痛いということを介護者が見つけなければなりません。
「死因が、脳にまで移行した口腔内の腫瘍であったことがありました。悲惨なことです。
誰かがきちんと診て探さなければ、見つけることができないのです。
誰かが見つけなければならないのです。」
レーダー博士は、障害のある人が口腔内にある問題をケアする方法について研究を行っています。
そして、障害のある人の歯科治療も行っています。
「私たちは、障害のある人のための専門の歯科医を作りたいとは考えていません。
一般の歯科医が、障害のある人の口腔ケアを行えるようにすることを考えています。」
レーダー博士の取り組みでは、歯科衛生士と歯科学生にインターンシップと訓練を行える機会を提供しています。
テネシー大学が承認した特別支援をする人たちへの歯科治療の訓練プログラムです。
いくつかの場合では、歯科医が一般に行う範囲を超えたことを行いますが、レーダー博士はいくつかの簡単な器具と取組む意志によって、特別支援を必要とする人たちの治療ができることを教えています。
この取り組みに参加しているミーシャ・ガーレイ博士はゲーム、映画、さらには食べ物を使って患者を快適にしようとしています。
ミーシャ博士の治療技術の多くは常識の範囲内だといいますが、介護をする人とのコミュニケーション、そして忍耐が重要だといいます。
ミーシャ博士は、患者の好きなこと、嫌いなことを予約するときに記入してもらっています。
「歯科にある椅子に座ることができなかった10代の子が来ました。
家族からは、リストにすることが好きだと聞いていました。
そのために歯科で行うことを全て、リストに書き出しました。
そして、全てのものに触れてもらい、リストも見てもらって、信頼をしてもらうことで治療を行うことができました。
しかし、リストに書かなかったことは、行うことができませんでした。」
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ここには、35歳のマイケル・ビビーのように近くに行ける歯科医がないために、何時間もかけてやってくる人もいます。
マイケルは自閉症です。発達障害をもつ多くの人と同様に投薬を必要とする疾患ももっています。
「ここに来るまで別の所では、まるで手術を受けるように鎮静状態にしてから、歯の掃除を行っていました。
麻酔を使う危険性を感じてました。」
37歳のジム・デイクはここに5年間通っています。
定期検診時には、いつものお決まりでウミガメの映画を見ます。そしてわたあめ味の歯磨き粉を使います。
「息子は野球をするのと同じくらいに、ここに来て歯を綺麗にすることが大好きなんです。」
そう父親のデイビットは語ります。
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母親のジーンは、息子にきちんと話をしながら行ってくれるので、落ち着いてうまくいっていると言います。
ガーレイ博士が、歯のレントゲン写真をほめると、ジムは笑います。
こうレーダー博士は言います。
「私たちの取り組みは、必要な知識と経験を歯科医に伝えようとしているものです。
このような特別な場所でなくても、一般の歯科医で行われるようになることを期待しています。」
(出典・画像:米Times Free Press
うちの子も全く話すことができないので、歯が痛くても、親の私でもすぐにはわからないと思います。
号泣していることがあっても、どうして泣いているのかすぐにはわからなくて、後になってあれが原因だったのかなとわかるような感じです。申し訳なく悲しくなります。
歯に関しては、学校で定期的に診てもらえるので今は安心です。(ですが、卒業したらそうでなくなりますよね。)
近所の歯科に連れて行くのも無理ですが、通える範囲内に都立の専門的なところがあるので安心できます。しかし、そうでないかたも多いはずです。
発達障害の子を安心して連れて行ける通える範囲にある、歯科医、耳鼻科、理髪店、これらがわかると本当に助かります。

(チャーリー)


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