- 感覚に過敏な人たちは、どのような状況に苦しんでしまうのか?
- 遊園地やアミューズメントパークが、発達障害の人たちにどのような配慮をしているのか?
- 発達障害をもつ人が日常生活で直面する課題は何か?
発達障害の27歳ティファニー・デルカは、友だちと楽しい夜を過ごしました。
レーザー銃を使ったサバイバルゲームでは友だちに勝ちました。
ローブを握って高いところに登ったり、自分自身でもその勇気に驚いたくらいです。
「娘は自由になって、自分になれる機会を作っているんです。」
そう母親のアンナは言います。
アミューズメントパークが集まる、米フロリダ州オーランドは、発達障害の人が度々パニックを起こしてしまいそうな騒がしい音、色とりどりの光でいっぱいです。
ですが、この地域の各テーマパークでそうではない、感覚に優しい機会が設けられています。
オーランドの科学博物館の一部では、125人の発達障害の人が楽しめるように照明を落とすなど、感覚にやさしい状態にしました。
感覚に過敏な人たちについて、発達障害者の支援団体のドナ・ローマンはこう言います。
「感覚に過敏な人たちは、全く無理な状況になってしまうのです。」
テーマパーク「ワンダーワークス」では、2015年に米ニューヨーク州シラキュースの店舗でイベント「感覚に優しい夜」を始め、ここオーランドでも開催するようになりました。
障害のある人、ない人が割引の入場券で4時間楽しみます。
「毎月、行いたいと思っています。
感覚に過敏な人たちには、いつもは音や光がたくさんで楽しめない状況だからです。」
そう、ワンダーワークスのゼネラルマネージャーのブライアン・ウェインは語ります。
クリス・セイラーと夫は、発達障害と診断をされている二人の13歳の息子と一緒に楽しみました。
「今日は、外に一緒にいても苦労することがありません。
素晴らしい経験ができる機会です。」
発達障害の人のために、近隣の宿泊施設の準備も整っています。
また、不思議な音楽とパフォーマンスで世界的に有名なブルーマンも、ユニバーサル・オーランド・リゾートで、
毎年、発達障害の人たちに向けたショーを開催しています。
音楽の音量が大きすぎたりすると、発達障害の子の親たちから連絡を受けます。
それにあわせて、音量も再調整します。強い光の照明なども使いません。
前回の発達障害の人向けのショーには、約500人の観客が入りました。
ディズニーのシーワールド・オーランドとティズニー・ワールドでは、どちらでも発達障害の人は長い行列を並ぶ必要がありません。
サービスにおいて、発達障害の人へ差別があるといくつかの訴訟に直面することが以前あったためです。
ディズニーでは、2013年よりこうしています。
レーザー銃を使ったサバイバルゲームを楽しんだ27歳のティファニーは高機能自閉症です。
子どものような面があります。
ティファニーはコンピュータで遊び、テレビを見て、母親が家に帰ってくるのを待つ、つまらない毎日を過ごしていたといいます。
「うつ病になりそうでした。」
そうティファニーは言います。
ティファニーには、何かをしようとするための動機が足りないことがあります。
また、絶えず頭の中は忙しく考えているばかりです。
友だちもなかなか作れません。
しかし、才能もあります。
レコード盤を利用して、壁時計を作ったり、粘土を使ってジュエリーを作ったりします。
ティファニーの母親が仕事を辞めてからは、ティファニーは孤独でなくなりました。
母親と一緒になって、ネットで作ったものを販売するようになりました。
こうして、今はワンダーワークスに来て楽しむこともできるようにもなりました。
そして、ワンダーワークスのアトラクションでは、高いところが怖いはずなのに、ロープを使って高いところに登ることができました。
ティファニーは高いところから、母親に向けて微笑んでいました。
(出典・画像:米Orlando Sentinel)
一つの施設や事業者だけでなく、オーランドでは地域ぐるみで、いろいろ楽しい場所で発達障害の方への取り組みが行われているのですね。
宿泊施設も考慮されているとなると、ますます安心して楽しめそうです。
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(チャーリー)