- 面接試験における不利な点は何か?
- サイバーセキュリティ専門家として必要なスキルは何か?
- 発達障害の人たちがサイバーセキュリティで果たすべき役割は何か?
自閉症やアスペルガー症候群のような脳神経学的に他の人とは異なる人たちには、これまでのような面接試験では不利になることが少なくありません。
しかし、専門の教育を受け働く機会を得れば、サイバーセキュリティの専門家として、デジタル時代を支えデータを守る必要不可欠な存在にとなります。
サイバーセキュリティは、デジタル社会の現代において重要な問題です。
家庭から企業や政府機関にいたるまで、データを保護することに懸命です。
どのようにして、守り続けていくかが課題となっています。
サイバー攻撃をしかけてくる者たちは、最新の手法でますます多様化した方法を用い、サイバー攻撃は高度なものになり続けています。
英ブリティッシュ・テレコム社では、毎日10万件以上の悪意のあるソフトウェアを検出しています。
サイバー攻撃をしかけてくる者の創造性の高い思考に対峙するためには、私たちにも創造的な思考が必要となります。
そのため、まず必要となるのは十分な才能を持ち、訓練を受けた人を確保することです。
2022年までに、サイバーセキュリティの専門家は180万人不足するという推定もあります。
専門家が大きく不足する問題に対応するためには、才能のある人を受け入れ、教育をし、雇用することが必要です。
これまでに受け入れていなかった、多様な才能、多様な視点の活用が重要です。
自閉症、アスペルガー症候群、注意欠陥障害など発達障害の人たちが重要な存在となってきます。
例えば、アスペルガー症候群や自閉症の人は、ものごとを体系的に捉え考えることが得意であり、数学やパターン認識など、サイバーセキュリティに求められる重要なスキルが特に優れています。
発達障害の人たちにとって問題となるのは、これまでに行われてきたような採用面接方法では大きく不利になってきたことです。そのために、雇用されることが難しく、雇用されても適切なサポートを受けることができていないこともあります。
英自閉症協会によれば、発達障害の成人でフルタイム雇用をされているのはわずか16%しかいません。
ブリティッシュ・テレコムでは、発達障害の人たちのサイバーセキュリティに対する可能性を理解し、採用面接の方法を変えました。
典型的な質問に答えてもらうこと、長所と短所を伝えてもらうこと、それらをやめます。
関心があることについて話してもらうことにしました。
このような方法は、ソフトウェア開発分野の企業でも行われています。
マイクソフト、Amazon、SAPなどでこの方法が成功しています。
英国では、英国政府通信本部のインテリジェンスとセキュリティの部門で大きな成功をおさめています。
もちろん、この方法によってすべての発達障害の人がうまくいくわけではありません。
スタートです。
より多くの方法が模索される必要があります。
また、この変化をもっと大きく実現していくためには、政府と企業の間の協力も必要です。
ブリティッシュ・テレコムでは、英国政府と採用プログラムを協同して行い、子どもたちにサイバー業界に関心をもってもらう取り組みも行っています。
デジタル時代において、脳神経学的な多様性、ニューロダイバーシティは妨げになるようなものではなく、むしろ優れているものとして捉えるべきです。
仕事だけでなく、社会全体に利益をもたらす、取り残されてきた才能ある人たちに活躍してもらえる機会を作れるのです。
広く見過ごされてきた能力のある人たちを知り、学んでもらうことで、専門家不足の重要な問題に対応でき、サイバー犯罪に対抗できる力を強化できるのです。
(出典:英Project Syndicate)(画像:Pixabay)
面接なんてしなくても、活躍できるようになったらと思います。
ちょっと働いてみてお互いよかったら、もっと働く。
ニューロダイバーシティの価値や効果を鑑みれば、面接方法をこれから洗練させるよりも、実行性が高いそんな採用方法がますます増えていくと私は思います。
マイクロソフトが自閉症の人を雇用する理由
(チャーリー)