- 外見だけで判断すべきではないのか?
- 発達障害や自閉症を持つ人は、どのような困難に直面しているのか?
- その人たちに対して、どんなサポートが必要なのか?
見た目ではわかりません。
レスリングを行うベン・フィアーズは発達障害です。
幼いときからまわりとは少し違っていました。
中学生になって自閉症スペクトラム障害と診断をされました。
自閉症スペクトラム障害は、社会的なスキルの困難、常同行動、発話の状態など、いくつかの特徴を含む広範囲の状態を指すものです。
遺伝、環境、それらの組み合わせによる原因と考えられています。
「僕はまわりとは違っていると思いました。
特定の刺激を求めて行動したいと感じることもありました。
時間が経つにつれて、自分が奇妙であることは、悪いことを意味するわけではないことを学びました。」
そうベンは言います。
ベンは自閉症スペクトラム障害と診断をされる前から、レスリングを行っていました。
勝つために考え、自分の強みを活かします。
これまでに、州の大会で3位になりました。
現在では優勝候補となっています。
エリック・ノーラン監督は、ベンを障害があるからといって特別扱いはしません。
「これまでにも、同様な困難を抱えている子どもはいました。
私は12年間、指導を行ってきました。さまざまな子どもがいます。
私は多くの指導を行ってきたので、それぞれの子どもにあわせた指導を行えます。」
最近エリック監督は、ベンとうまくコミュニケーションができるようになっていることを感じています。
「昨年の彼の好成績が影響しているのかもしれませんが、たくさんベンの笑顔が見えるようになりました。
ベンは正しいと思うことを実践しているのを誇りに思っています。
ベンは集中できると話すこともできます。
会話をして、チームの良き一員となることを伝えてくれます。」
レスリングにのぞむ態度と心構えから、ベンは今、チームのリーダーになっています。
「私は、自画自賛するようなことのない態度をとるベンを、心から尊敬します。
ベンのような、導いてくれる人は本当に私たちには重要な存在となります。
リーダーになるためには、その前にチームの仲間を尊敬できていなければなりません。
ベンには、とてもよくそれができていました。」
ベンの母親のメリッサは、レスリングがベンの成長を助けてくれたと言います。
「ベンは、チームの一員であることをよく自覚しています。
そのために自分の感情の扱いを学んできました。
コミュニケーション能力もつきました。
何人もの人が、ここ数年でベンとやりとりができるようになってきたと言ってくれています。」
ベンは診断を受けてから、8ヶ月間ほどいくつかの行動を変えるために療育も受けました。
そして今でも、いくつかの症状を改善させるために抗不安薬を飲んでいます。
「僕の最大の問題は、社会の中にいるときの自分の心理状態です。
薬を飲むことで、安定します。
本当に私には助かるものです。
いろいろなことがうまくいくように感じます。」
レスリングでは優勝候補となっているベンにとって、もう最大の敵は不安になってしまう自分だけです。
(出典・画像:米NORTHWEST ARKANSAS Democrat Gazette )
発達障害の方から学ぶことはたくさんあると思います。
違うから、学べるのです。
みんな同じだから。と付き合うよりも、
違いがあるから生まれる良さを理解して、むしろ「違い」に敬意をはらい、同じように付き合いたいと私は思います。
走ることで特別支援の子たちが成長していく
(チャーリー)