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遊び方もわからなかった発達障害の息子は今は宇宙を冒険する

time 2018/01/13

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

遊び方もわからなかった発達障害の息子は今は宇宙を冒険する
  • 発達障害を持つ子どもが遊び方を学ぶのにどんな支援が必要か?
  • 発達障害を持つ子どもと向き合う親が必要な知識やスキルは何か?
  • 発達障害を持つ子どもの個性や行動をどう受け入れるべきか?

「スリー、ツー、ワン。イグニッション、リストオフ!」
リビングルームはロケットエンジンの轟音でいっぱいです。
部屋の隅においてあるボール紙の宇宙船が揺れ動いています。
私の5歳の息子のチャックは発達障害です。
ロケット打ち上げの轟音を口に出して、宇宙服のヘルメットをかぶり、NASAのパッチが付いたオレンジ色のジャンプスーツを着ています。
息子の声は真剣です。
「最初は月です。次は火星です。」
私はうれしくなります。
この息子のまねごとをみると、私が息子をこの冒険に連れ出せたことがわかるからです。
息子のこの宇宙冒険は、私の心を満たしてくれます。
この気持ちに適当な言葉が見当たりません。
誇り、安心、変な喜び、ごちゃごちゃになっています。
息子はこれまで、どうやって遊んでいいかわかりませんでした。
今していることは、本当に予想もできなかったことなのです。
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息子は話すことはありませんでした。
表情を理解することもできません。クレヨンの持ち方もわかりません。
エアコンから出る音への対処方法もわかりません。
私たちがふだん簡単にしていることも、療育で学ぶ必要がありました。
今は息子は明るくて、かわいくて、よく笑って、アメフトも大好きです。
水たまりで泥だらけになって遊び、笑顔を見せてくれます。
妹と一緒になって、くもやおたまじゃくしを見ています。
私が発達障害についてもっとよくわかっていれば、もっと早く発達障害であることがわかったはずです。
幼いときからその兆候はありました。
発話の遅れ、体をゆらすこと、うれしいときに手をパタパタさせて跳ね回ることなどです。
息子は太陽系のすべての星の名前を言うことができます。名前がわからないものは、どんな星かを教えてくれます。
お昼ごはんに何を食べたいかを話すことよりも、隕石、小惑星、彗星の違いを話してくれます。
息子が3歳のとき、発達の遅れが出ていたときに、小児科の医師からは診断をすることをすすめられました。
私は恐ろしくて、絶望的になりました。
しかし、そう思う私は間違いです。
それまで、息子とハグができることはあまりありませんでした。
会話ができることもありませんでした。
私は息子を愛してきました。しかし理解できていませんでした。もっと理解したいと思いました。
診断を受けました。
私は息子に問題があることはわかっていました。
助けになることを知ることが、私にとって診断の目的でした。
私は医師たちから、息子の将来がなくなるようなことを聞きました。
とても嫌なことでした。
私は目を閉じて、息を吸いました。
そして、覚悟を決めました。
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翌年から、私は発達障害に関わるすべての本を読みました。
すべての専門用語も学びました。
私は、ふだん私たちが行っているすべてのことについて、絵をつけたストーリーにして教えることを学びました。
歯磨き粉のチューブを手に取りましょう。
チューブのフタを開けましょう。
歯ブラシにつけましょう。
息子は、他の発達障害の人の多くと同じように、あまり眠ることがありません。
夜は2,3時間しか眠りません。
もっと寝かせようとしても、星を見に家を出ていってしまうようなこともあります。
私はスーパーに買い物に出かけても、息子が悪い子どもと思われるよりも、私が悪い母と思われることを選びました。
ひどいことを言われても、気にしないふりをすることを学びました。
私はふだんは面白くて幸せな息子がパニックになって、壁に頭をぶつけたりしはじめると、私は抱きかかえて防ぎます。息子が傷つくよりも、私の体が痛むことを選びます。
私は息子のためにやれないことはない、ということを学びました。
息子は毎朝、私のひじにキスをしてくれます。
キスをしてくれないときでも、私のことを好きなのはよくわかっています。
息子は私が好きな本を呼んでやっていると、指で私の髪をさわります。
私のくちびるの上にも指を乗せて、私が話しているくちびるの動きを感じています。
私の手のひらに好きな星座を描いたりもします。
前に、ある子どもが私に、冗談でひどいことを言ったときのことです。
息子は手を上げて「やめろ!」と叫びました。
息子は私を指差して「王女様だ!」と言ってくれました。
そんな息子のために、私はできないことはないと思います。
私は息子のために、ずっと学び続けます。
リビングルームにいる宇宙飛行士を見ていると、発達障害の子どもとわかるうなり声をあげて、窓からの光にまぶしい顔をしています。
私が一番学びたいのは、息子が快適でいられるようにするためにどうすればよいか、息子に教える方法です。
息子は人とは違った考え方をしているので、人とは違った行動をとります。
私もこれを変えたいとは思いません。
他の人と同じようにさせることは、私がしたいことではありません。
息子のそうした、人とは違う行動を、私が知っておかなければならないことを、息子には伝えています。
そうすることで、息子が人と違った行動をしたときに、私はサポートすることができるからです。
私はこの宇宙飛行士と歩んでいきます。
(出典・画像:米The News&Observer
自分の子のためには、私にできないことはない。
子どもは、そう思わせてくれる本当に宝のような、こちらこそ感謝する存在だと私も思っています。
宇宙が大好きな発達障害の息子と日食を観る

(チャーリー)

 


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