- 家族が亡くなった後、知的障害を持つ人はどのような支援を受けられるのか?
- 知的障害を持つ人が安心して過ごせる場所を見つけるにはどうすればよいのか?
- 同居型の支援プログラムはどのような効果があるのか?
ホメロス・ウィリアムズは知的障害を持って生まれました。母が1987年に亡くなるまで自宅に住んでいました。
母が亡くなってからは22年間、施設で暮らしていました。
そこでは、施設に住む他の人からいじめをうけました。
69歳になったホメロスは米アイオワ州で、農場があって素晴らしいパートナーと一緒にずっと住める場所を見つけることができました。
それは、モザイクという知的障害者を支援する非営利団体のプログラムのおかげです。
モザイクでは、モザイクアットホームと呼んでいるプログラムを提供しています。
そのプログラムは、知的障害の人が1年ごとに、受け入れてくれる家族と一緒に暮らすものです。
このプログラムによってアイオワ州では現在、85名の知的障害の人が家族と過ごしています。
モザイクは、知的障害のホメロスをミシェルとアラン・ヴィリーの家族に紹介しました。
ここでホメロスは、自分のおじやおばの農場を思い出したはずです。
ヴィリー家族には、広い農場があり、たくさんのヤギやロバもいました。
そして、ホメロスとミシェルはとても合っているようでした。
本当に、とても仲がよさそうです。
「ホメロスも元気ですし、ミシェルはエネルギーのかたまりです。」
モザイクのブリトニー・レッドフォードはそう言います。
最初、ミシェルは高齢の人と一緒に暮らすことには不安でした。
しかし、まず会ってみることにしホメロスは7月にやってきました。
「私はすぐに縁を感じました。
私が握手をして、ハグをするとホメロスが言ったんです。
私の部屋はどこですか?」
ミシェルはこう言います。
「こんな経験はしたことがありませんでした。
私たちの本当の家族になってくれると思いました。」
モザイクのメンバーたちは、家族との生活が、知的障害の人の心身の健康を向上させることを発見しています。
「家族と住むことができると、素晴らしい効果があるのです。
知的障害の人たちは家族たちと生活を始めると体重が減り、飲む薬の量も減るんです。」
そして、家族たちとの経験は絆を育みます。
「ホメロスは、愛していると言わせてくれる人に出会うことがありませんでした。
一緒に住める家族に出会えることを夢見ていました。
それはまるで、新しい家族や家をもう知っていたようでした。」
そうモザイクのブリトニーは言います。
ホメロスは9月から正式に、ミシェルたちの家に引っ越してきました。
それ以来、ホメロスは今までできなかったたくさんのことを、家族に助けられて、経験しています。
ホメロスは毎日、ミシェルの動物の世話を手伝います。
ホメロスはそれが大好きです。
それから、ホメロスにその日に行うことを決めてもらい、ミシェルと行動します。
ホメロスは買い物を楽しみにしていることが多いといいます。
映画をしたり、ボーリングをしたり、食事をしに行きます。
「ホメロスが残りの人生を楽しむようにすることが、私の目標です。そんなふうに感じています。
私は、これからホメロスに、人生の中で一番素晴らしい時間を過ごしてほしいのです。」
ホメロスも新しい家族が大好きです。
「良いです。
毎晩、ミシェルがほおにおやすみのキスをしてくれます。」
ミシェルは、ホメロスが経験してきたつらいことを、少しでも忘れられるようになってほしいと願っています。
「ホメロスは人の尊厳を失いました。心を失いました。自由を失いました。
私は、全てのものをホメロスに取り戻してほしいと強く願っています。」
(出典・画像:米TODAY)
こんな取り組みがあってそれが機能して、こんな素晴らしい人がいて、出会えて、本当によかったと思います。
亡くなったお母さんもきっと喜んでいるはずです。
自分がいなくなった後の子どものことを、私もよく考えますので、そう思ってしまいます。
うちの子どもも、こんな人たちに囲まれていたらいいなと本当に思います。
おじいさんもご家族も、これからもますますたくさんの楽しい時間を過ごしてほしいですね。
発達障害の子も家族も、そして馬もうれしい
(チャーリー)