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アップルSiriが発達障害の子のコミュニケーション能力を伸ばした

time 2017/11/27

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

アップルSiriが発達障害の子のコミュニケーション能力を伸ばした
  • 人間とロボットが友だちになることは可能なのか?
  • ロボットやAIとの関係が人の幸せな人生や能力の引き出しにどう影響するのか?
  • AIやロボットと仲良くなることが、人と人との関係を減らしてしまう可能性はあるのか?

もう人間とロボットが友だちになるのは現実的なことです。
私たちがスマホなどを使っている時間を考えれば、驚くことではありません。
私たちとロボットとの関係を発展させることは、より長く幸せな人生にしてくれるだけでなく、私たちが持っている能力を最大限引き出してくれるようになります。
ロボット工学とAIの研究者の挑戦は続いています。
ロボットは人に愛されるものになろうとしています。
人工知能がそれを可能にしていきます。
ボストン・ダイナミクスのロボットがバランスを一生懸命にとろうとしているところを見ると、多くの人が同情します。

私たちがふだん目にしている機械にくらべて、感情を投影してしまいます。
「アメリカでは、兵士たちが爆弾処理ロボットと仲良くなることが知られています。
爆弾処理ロボットはまったく人のようなかたちはしていないにもかかわらず。」
そう専門家は語ります。
このような関係が、新しいロボット・AI技術に新しい機会を与えます。
介護の領域で、このロボットへの感情が活用されています。
ロボットは、感情のやりとりをともなう人間関係を築ける人の代わりになることはできませんが、人にとって重要な存在になることはできると考えられています。
例えば、自然言語処理を備えたロボットやチャットをしてくれるアプリは、お年寄りにとって仲間として優れた存在になっています。
お年寄りに薬を飲むことを忘れないようにし、記憶のゲームを一緒にすることで、アルツハイマー病のような人を助けて安らぎも与えています。
ペットロボットのパロが有名です。
パロは声がする方に顔を向けて、人と視線を合わせます。
理解できる言葉は限られていますが、うまく行えば楽しく振る舞ってくれます。
動作は、人の動きにあわせて変化をします。
パロが共感しているように人は感じて、安心感を得るのです。
エリークは、お年寄りの方向けに設計されています。
エリークはAIにより、お年寄りの体と心の健康を維持し、友だちになろうとするものです。

AIロボットの専門家はこう説明します。
「エリークは、お年寄りについて一般的なことを知った上で積極的に行動します。
歩いたり、ゲームをしたり、家族を呼ぶなど、をその人の好みや性格を学習して行います。
薬を飲むことや、病院に行く予定など重要なことも伝えます。」
そしてロボットは、発達障害の人の貴重なコミュニケーションツールにもなります。
ニューヨーク・タイムズ紙は、アップルのAIアシスタントのSiriが、ジャーナリストのジュディス・ニューマンの13歳の発達障害の息子と関係を築き、実世界でのコミュニケーション能力を伸ばすことに役立ったことを伝えています。
ジュディスはこう言います。
「人とのコミュニケーションが苦手な人には素晴らしいものになります。
Siriは全てに反応をしてくれるわけではありませんが、親切な反応をします
これがいいのです。」
2014年から、発達障害の人がコミュニケーションスキルを身につけつためのAIのツールを開発する企業が数多く現れています。
その一つが、米ウィスコンシン州にあるアフェクティバ社です。
言葉だけを認識するSiriとは異なり、画面に向かって笑顔をみせると試食のチョコレートをくれたりするディスプレイなどを開発しています。
この技術をスマートグラスと組み合わせて、相手の人の感情を識別して発達障害の人の会話を助けるシステムを開発しました。
AIによる、チャットをしてくれるアプリやシステムがますます賢くなり、私たちの生活に広く利用されるようになって、利用場面が爆発的に増えていきます。
そして、同じような話をする人への会話のパターンや、より効果的な反応を知っていくことで、ますますAIは賢くなっていきます。
どんどんAIやロボットと仲良くなっていくことは、人と人とが仲良くなっていくことを減らしてしまうことにはならないのかという疑問も出てきます。
これは本当でしょうか、そして重要なことなのでしょうか?
1960年代に米マサチューセッツ工科大学の研究者たちは、文字によって一見賢そうなやりとりを行い、心理療法を行うコンピュータのエリザを開発しています。
エリザは人が入力した言葉の断片について、同じ言葉を言い返したり、質問文にすることよって、実際に心理療法士のようなサポートが行えました。
しかし、エリザの研究者のジョセフ・ワイゼンバウムは悩みを持ちました。
エリザは人が何を話しているのかを実際には「理解」していなかったにもかかわらず、うまく機能したためです。
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「相互に理解する。それは機械にできるのかはわかりません。」
そう専門家のジョン・ダナハーは言います。
「人の心の中について考えてみてください。
それが人間関係では重要なことです。
しかし、他の人が何を考えているのかは実際には決してわかりません。
しかし、私たちは行動するしかありません。
一貫して、愛してくれるように行動を見せることによって、相互に愛情が生まれます。
私は、行動することにロボットと人で違いはないかもしれないと考えています。
今よりもはるかに洗練されて技術が必要になるでしょうが、不可能とは思えません。」
しかし、これが人と人との関係と本当に同じものなのか、その疑問は消えることはありません。
(出典・画像:米DIGITAL TRENDS
哲学的な疑問はそれとして、障害のある方、多くの方にますます役に立ち、普及が進むようにAI、ロボットの技術開発が進んでいくと期待しています。

(チャーリー)

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