- 発達障害の子どもの理髪店での対応はどのように違うのか?
- どのような方法で発達障害の子どもの恐怖を軽減することができるのか?
- 発達障害の成人に適切な支援が行われるためには、どのような取り組みが必要か?
ヘアスタイリストのキラ・ファーガソンが髪のクリップをつけると、ショーン・スミスは隣に座る母親が差し出したチョコレートに手を伸ばします。
髪を切っている間、ショーンはマッサージ機の震動に夢中になっていました。
ションは17歳、発達障害です。
母親のアンナはこう言います。
「息子を落ち着いたままにするためには、こうしてときどきチョコレートをあげる必要があるんです。」
このウィッグル・ウォーム・子どもヘアスタジオは、1日に多い時には10人ほとの発達障害の子が利用しています。
このような、発達障害の子がかかえるニーズにこたえるサービスが増えてきています。
ファーガソンをはじめ、発達障害の子にサービスを提供する人たちが支援の方法を学ぼうと、発達障害の人たちのコミュニティと関わり、理解したことを他のサービス提供者と共有するとりくみが始まっています。
多くの子どもたちは、幼児のころにヘアカットに対する恐怖を乗り越えます。
しかし、発達障害の子どもは、見知らぬ人がはさみを持って、騒がしいヘアドライヤーを使うことに対する恐怖を乗り越えるのが簡単ではないことがあります。
同じように、歯科医院や眼科医院、混在したバスや空港に行くのも、恐ろしいもので簡単なことではないことがあります。
発達障害の子どもや成人は、多動や常同行動を行うことがあり、他人を避ける傾向があります。
光、音、においなどへの感覚も過敏であることがあります。
ここのヘアスタジオは、マッサージ機をつかって発達障害の子どもが安心できるようにしています。
「私たちはヘアクリップも、音がしないようなものを使っています。」
ヘアスタイリストのカレン・トムザックが言います。
職業訓練学校の美容師の先生、ブランディー・ベイカーは発達障害の方の髪を切るときには、静かに話して、頭をあまり動かさないようにすることを勧めています。
また、発達障害の子の頭に直接シャワーをかけるよりも、濡らしたくしを使うこと、そして言葉の使い方も教えます。
「子どもたちに「切る」というと、ケガや出血を連想させてしまいます。
なので、「トリムする」と言ったほうがいいんです。」
また可能であれば、いつも同じヘアスタイリストが対応するべきだといいます。
安心できる人間関係を作れるからです。
米ペンシルバニア大学の歯科医学部のマリア・ベラスコ教授も、子どもたちが理解できるように言葉を使うべきだと言います。
発達障害の女の子がX線画像を撮影するために大きな装置に頭を入れた時には、宇宙船に乗ることを想像するように言ったそうです。
米トマス・ジェファーソン大学のローゼン・シャーフ教授はこう言います。
「視覚検査を受けていない、多くの発達障害の子どもたちがいます。」
トマス・ジェファーソン大学では、医学部生の眼科の訓練プログラムで発達障害の子どもたちに目薬をさす場合には、まず目薬を手にたらしてあげて、感じてもらうことを教えています。
米フィラデルフィアの自閉症研究センター(CHOP)では、専門家、販売業者、発達障害の当事者たちが参加してのトレーニングプログラムを行っています。
市議会や行政、大学も協力して、フィラデルフィアの警察官、消防士なども、発達障害の子どもについての理解を深め、支援する方法を学んでいます。
またYMCAで、発達障害の子ども向けのプログラムを実施しているところもあります。
プログラムの責任者のリサ・ゴリンはこう言います。
「たくさんの発達障害の子どもが水死しています。
そのため、泳げるようになるように教えます。
いのちを守るために、それはとても重要なんです。」
米ペンシルバニア州での調査では、発達障害の成人のうち、コミュニティ活動に参加しているのは25%未満で、失業している人は2/3以上の割合です。
発達障害の人たちへ配慮されたサービスの提供や、専門家による一般の人たちも巻き込んだプログラムによって、発達障害の成人についての理解や適切な支援が行われることにより、その状況はよくなるはずです。
(出典・画像:米The Inquirer)
連れて行くのが簡単でないところ、たくさんあります。
美容室、眼科、歯科、皮膚科、映画館、、、
たくさんです。
行っても差し支えないと言ってくれるところが、わかりやすくなるといいですよね。
発達障害の子どもをこころよく迎える理髪店
(チャーリー)