- 馬やポニーが発達障害の子どもたちにどのような影響を与えるのか?
- 馬と子どもたちとの関係が持つメリットは何か?
- 馬を通じた活動が子どもや家族にどのような変化をもたらすのか?
二人の母親が、発達障害の子どもたちを変えるというポニーを飼育しています。
トレイシー・ダークとヘイリー・スミスは、この馬たちが発達障害の子どもたちを笑顔にしていることを確かめると、デヴォン・チャリティ・マレ&フォール・サンクチュアリーと協力をして活動をしてきました。
馬や子犬が、障害による多くの問題をやわらげることを伝えています。
トレイシーはポニーのトスカが家族の一員であること、そして娘のソフィーに自信がついてきたことを語っています。
「本当にポニーのトスカが、娘のソフィーの人生を救ったと思っています。
トスカは、ソフィーに生きる目的と、行うべきことを与えてくれたんです。」
学習障害のあるソフィーは、学校ではひどいいじめにあいました。
友だちを作ることは難しいと考えるようになっていました。
強い不安のために、1日に16時間も寝ることがよくありました。
14歳のときに、ソフィーは発達障害と診断をされました。
これまでの不幸やストレス、不安についての説明がこれでつきました。
「もうソフィーの心は壊れていました。
ソフィーには何をする気力ももうありませんでした。
あまりに多くのことがありすぎました。
もう、周りの世界に関わることができなくなりそうでした。
うつ状態になっていました。」
母親のトレイシーは馬が大好きでした。
子どものころは馬に乗っていました。
馬が娘を助けてくれることを願い、信じました。
そして、その結果は驚くべきものでした。
「馬がソフィーの近くに来ただけで、ソフィーの心が安らいだようでした。
ソフィーの何かが変わりました。」
「発達障害の子どもは、運動障害があります。運動と体の調整が困難だったりします。
そして、人とのやりとりや感覚に問題を抱えています。
暑すぎたり、寒すぎたりしても、どうしていいかわからなくなります。
また、そういった物理的な状況の問題だけでなく、人ごみなどの社会的な状況でも、パニックになることがあります。」
「しかし、馬が目の前にいるだけで、発達障害の子どもたちは落ち着きます。
ポニーのトスカを気遣う行動は、ソフィーの体も強くしてくれました。
そして、ソフィーの生きがいにもなったようです。
このポニーが、ソフィーにとって本当に重要な存在になったことを目の当たりにして、
私は行動を起こさなければならないと思いました。」
そうして、母親のトレイシーはデヴォン・チャリティ・マレ&フォール・サンクチュアリーと協力をして活動を始めました。
5年が経った今でも、ポニーのトスカとソフィーは最高の友だちです。
そして、トレイシーのもう一人の娘のケイティはアスペルガー症候群です。
今は、ポニーのトスカの世話を手伝っています。
そしてソフィーに馬の乗り方を教えてもらっています
2年前、ケイティは学校に行くことを辞めざるを得ないほどつらい状況でした。
今はソフィーと交代をしながらトスカを世話しています。
母親のトレイシーは、畑を借りて飼料などを作っています。
「これに変わる方法はないと思います。
馬やポニーが人を変えてくれることを、多くの人がまだ知りません。
それはまるで魔法のようですよ。
ポニーのトスカがいてくれて、本当に助けとなりました。
自信をもって言えます。
私自身も悩みがあるときには、馬と一緒に過ごします。」
もう一人の母親、ヘイリー・スミスには、12歳の発達障害の息子のケイロンがいます。
8歳の息子のディランも発達障害と診断をされました。
ヘイリーは、デヴォン・チャリティ・マレ&フォール・サンクチュアリーに助けを求め、2頭のポニー、トリーとエメラルドを借り受けました。
ヘイリーは、2400平方メートルほどの農園を借り、ポニーの他に鶏、豚、アヒル、ヤギ、七面鳥も飼育しています。
「息子たちのために始めました。
これは今まで取り組んだもので、一番よいものでした。
ポニーのトリーとエメラルドが近くにいると、息子のケイロンとディランの態度が変わります。
とても安心しています。
そして、周りのことに関心を持つようになります。
新鮮な空気の中にいることもよいのだと思います。
毎日の馬への世話も本当に助けになっているようです。
馬は穏やかで、わかりあえます。
馬が嫌だと思うことは、息子たちにもすぐに伝わります。
本当につながりがあるようです。」
科学的な観点からも、この二人の母親が経験していることは間違っていないようです。
最近発表された研究では、乗馬や馬の世話をすることが、人への信頼やコミュニケーションに関わるホルモン、オキシトシンの分泌を促進することが示されています。
また、発達障害の子どもの知覚、認識の能力を高める効果もあり、乗馬によるリズムは不安に関わるホルモン、コルチゾルの分泌を抑える可能性も伝えられています。
つまり、馬によって、発達障害の子が周りの世界を理解し、家族たちとの関係もよくし、自分の感情をよりコントロールすることにつながるのです。
母親のヘイリーはこう言います。
「本当に辛いときに、息子たちを落ち着かせてくれます。
馬は本当に素晴らしい。やさしくて、理解し合えます。
息子たちも、馬が大好きです。
世話をすることが大好きです。
まだ乗ることはできませんが、一緒に散歩しています。
ポニーのトリーとエメラルドは幸せそうです。そして息子のケイロンとディランもそうです。
このポニーたちが、私と息子たちの人生をどれほど幸せにしてくれたかは、十分に伝えることができないほどです。」
二人のそれぞれの母親、トレイシーとヘイリーは多くのものを費やしましたが、その価値があったと考えています。
デヴォン・チャリティ・マレ&フォール・サンクチュアリーのスタッフたちは、支援を行っています。
この支援団体では、現在170頭以上の馬を所有し、貸し出しています。
放棄されたり、虐待された、つらい状況にあった馬たちを受け入れ育て、そして訓練を行っています。
支援団体のサリー・バートンはこう言います。
「私たちは、困っている家族を助けたいと願っています。
トスカ、トリー、エメラルド、の馬たちは完璧に役に立っています。
家族の助けになっていること、
そして素晴らしい馬たちと思いやりのある家庭を結ぶことができてとてもうれしく思っています。」
(出典・画像:英DevonLive)
子どもも家族もうれしくなって、馬たちも喜んでいそう。
素晴らしい取り組み、しくみですよね。
助けられた子犬が発達障害少年に愛を教える
(チャーリー)