発達障害のニュースと障害者のハンドメイド

発達障害の息子を変えた父とのアフリカ旅行

time 2017/07/25

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

発達障害の息子を変えた父とのアフリカ旅行
  • 旅行中に発達障害の子どもの療育方法を変えることができるのか?
  • 発達障害の子どもには非日常感を与えたり、挑戦させることが重要なのか?
  • さまざまな療育方法を試みることが、子どもの成長や能力にどのような影響を与えるのか?

オーストラリアのジェームス・ベスト博士が、発達障害の10代の息子と一緒にアフリカ中を歩き回って旅行していることを発表すると、さまざまな反応がありました。
「本当に大丈夫なのか?」
そうオーストラリアの発達障害の啓蒙団体の最高責任者であるニコル・ロジャーソンはそう言いました。
「応援したい気持ちはありましたが、もう笑うしかありませんでした。」
自閉症スペクトラムの子どもたちへの従来の対応方法は、予測できる決まったことを行わせることです。
しかし、ベスト博士はもっと刺激的なチャレンジをしたいと考えていました。
14歳の息子のサムを、どのように発達に影響を与えるのかわからない環境に置こうと思ったのです。
「息子のサムは、ピアノが弾けます。コンピュータのプログラミングもできて、数学も得意です。
しかし、お店に行ったり、友だちと会話をすることができませんでした。
これまでのやりかたでは、息子のためにならないと思いました。」
ベスト博士の発達障害の子どもへの療育方法は、オーストラリアのグリフィス大学の発達障害の研究者、デイビッド・トレバス博士から斬新なものとして賞賛されています。
「これは、発達障害の10代の若者の支援方法を変える可能性があるものだと考えています。
ベスト博士の旅行は、家族にとって大きなチャンスとなる驚くべき例となるものです。
そして、大きなものを手に入れたようです。」
ベスト博士は休暇をとって、発達障害の子の子育てに専念していました。
そして、ベスト博士と妻は旅行のために家まで売却しました。

思春期は、脳が変化する時期で幼児期のように学習を行うのによい機会だと考えられています。
「私たちは、この時期がチャンスであることをよく知っていました。
方法として考えたのは、人生で求められる課題に対処するための能力を息子に身につけさせるために、
不確実で、予測不可能な状況の中を長い間過ごすということでした。」
ベスト博士たちはアフリカ大陸を旅しました。
バスに乗ったり、地元の市場で買い物をしたり、学校や教会を訪れたり、サファリで野生動物を見たり、
毎日、息子のサムは体を動かし、チャレンジを続けました。
息子のサムが体の両側を使って、右脳と左脳との間のやりとりを増やすために、チェスの箱詰めなどの遊びの方法も教えました。
サムが会話できるようになるために、買い物をしたりホテルのチェックインをする時には、サムにお願いしました。

そうして旅行が終わる頃には、サムには日常生活で求められる能力について、明らかな改善がみられました。
「自分で、靴のひもを結べるようになりました。
自分で歯を磨くことができるようになりました。
自分で計画を立てて、部屋からでるようになりました。
このような旅行をしなければ、こんなことはできませんでした。」
そうベスト博士は言います。
トレバス博士は、ボディランゲージやアイコンタクト、そして見知らぬ人との会話時間の長さの変化などを、発達障害の子を定期的に撮影したビデオから研究しています。
「サムはとてもリラックスができるようになっていました。
見知らぬ人との会話でも、目を見る時間が78%増加しています。
急に話を変えるようなことは、75%減りました。」
トレバス博士は現在、論文を執筆中です。
発達障害の専門家と家族たちから多くの関心を集めるだろうと期待しています。
「私は、ベスト博士と息子のサムのアフリカ旅行での改善は、発達障害についての研究を揺るがす可能性があるものだと思っています。
通常であれば、研究のために現実の世界を模した環境を作って研究を行います。
しかし、これは現実世界の中で行った研究といえます。」

オーストラリアのラ・トロープ大学の発達障害の専門医のシェリル・ディサナヤケ教授は、トレバス博士の予備研究調査の結果を見て、この旅行について一例として捉えるのは良いこととするものの、注意する必要性も伝えています。
「6ヶ月間というのは、それほど長い時間ではありません。
この、父と子のアフリカ旅行の例が、画期的な療育方法だとは思えません。
しかし、他の家族たちが、自分の子どもにできることの大きな参考例になると思うんです。
子どもに非日常感を与えたり、挑戦する機会を与えることはできるのです。」
ベスト博士は息子サムとの旅行は、発達障害の子どもの療育方法とはいえないが、青年期における発達障害の人たちへのチャンスについての研究に貢献できるもののはずだと語りました。
息子サムについて、発達障害の子どもに対するお決まりのやり方をしなかったことは、十分に見合うものだったと考えています。
「旅行を始めた頃のサムよりも、今のサムのほうが、仕事ができる可能性はずっと高くなったと思う。
こんなことが言えるようになって、本当にうれしく思っています。」
ベスト博士はそう言います。
16歳のサムは学校生活に戻ります。
旅行にはとても疲れたといいますが、人生のスキルを学ぶことに役立ちました。
「僕は、これからももっと成長します。
もっとたくさん人と話せるようにがんばります。
そして、僕を成長させてくれるお父さんに感謝しています。」
父親であるベスト博士は、経験こそが人生を変えると語りました。
「息子のサムとアフリカ旅行をしたことは、素晴らしい、人生を変える経験でした。
息子が大人になったときに、きっとうれしく感じるはずです。」
(出典・画像:豪abc

普段とは違う環境である外国で、親子で協力しながら旅行となれば、それは得ること多いと思います。いろいろなトラブルも発生しますしね。
なかなかできないことですが、私もいつかしてみたいです。

自閉症の息子が父の教えてくれた5つのこと。

(チャーリー)


たーとるうぃずを「いいね!」をする。フォローする。

その他の最新の記事はこちらから
福祉作業所で障害のある方々がひとつひとつ、心をこめて作り上げた良質なハンドメイド・手作りの品物をご紹介します。発達障害の関連ニュースや発達障害の子どもの4コマ漫画も。
気に入ったものはそのままamazonで簡単にご購入頂けます。

商品を作られた障害のある方がたーとるうぃずやAmazonに商品が掲載されたことで喜ばれている、売れたことを聞いて涙を流されていたと施設の方からご連絡を頂きました。

ご購入された方からは本当に気に入っているとご連絡を頂きました。ニュースや4コマ漫画を見て元気が出たとご連絡を頂きました。たーとるうぃずがますます多くの方に喜ばれるしくみになることを願っています。


NPO法人Next-Creation様からコメント

「たーとるうぃず様で販売して頂いてからは全国各地より注文が入るようになりました。障がい者手帳カバーは販売累計1000個を超える人気商品となりました。製品が売れることでご利用者の工賃 UP にもつながっています。ご利用者のみんなもとても喜んでおります」

テキストのコピーはできません。